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インドからの撤退・清算:任意清算(IBC第59条)、登記抹消(STK-2)、駐在員事務所の閉鎖、事業譲渡

インド進出ナビ編集部(監修:Romy) · Last verified: 23 Oct 2026 · About 9 min read

インド子会社や事務所を閉じる方法として、倒産法(IBC)第59条の任意清算、会社法第248条の登記抹消(STK-2)、駐在員事務所・支店の閉鎖、事業・株式の譲渡を比較し、手順と期間の目安をまとめます。経営企画・財務担当向けです。

このガイドでわかること

  • インド子会社を閉じる主な方法(任意清算、登記抹消、譲渡)の違い
  • IBC第59条の任意清算の手順と期間の目安
  • STK-2による登記抹消の条件と手順
  • 駐在員事務所・支店を閉鎖する際の手続

撤退方法の比較

方法 向いているケース 主な条件 期間の目安
登記抹消(STK-2) 休眠・小規模で債務がない会社 債務の完済、株主の特別決議等、一定期間の事業休止 数か月〜
任意清算(IBC第59条) 資産・契約が残る会社 支払能力の宣誓、株主の特別決議、債権者の承認 1年前後〜
株式譲渡 買い手がいる場合 FDI規制・評価規則に沿った価格、RBIへの報告 数か月
事業譲渡・資産売却 事業の一部だけ売る場合 従業員・契約の移転手続、税務 数か月

任意清算(IBC第59条)の手順

  1. 事前準備:未払いの税金・債務の整理、従業員との合意、契約の解除、許認可の返納計画を立てます。
  2. 支払能力の宣誓:取締役の過半数が、会社が全債務を弁済できることを宣誓書で宣言します。直近2年分の監査済み財務諸表と資産の評価報告書を添付します。取締役は係争中の手続についても開示し、引当てを宣誓します(2024年改正)。
  3. 株主総会の特別決議:宣誓から4週間以内に、清算と清算人(破産専門家)の選任を決議します。
  4. 債権者の承認:会社に債務がある場合は、債権額の3分の2を占める債権者の承認が必要です。
  5. 届出と公告:会社登記官(ROC)とIBBIへの届出(清算人の選任は7日以内にIBBIに通知)を行い、公告して債権届出を受け付けます。
  6. 資産の換価と分配:資産を売却し、債権者に弁済した後、残余財産を株主(日本本社)に分配します。分配は受領から30日以内に行います。
  7. 最終報告と解散:清算人が最終報告を国家会社法審判所(NCLT)に提出し、解散命令を受けて手続が完了します。

残余財産を日本に送金する際は、FEMAに基づく報告と、清算時の課税(みなし配当・キャピタルゲイン)を確認してください。

登記抹消(STK-2)の手順

  1. 条件の確認:債務がすべて弁済済みであること、一定期間(事業開始後に取引がある場合は直近2年間)事業を行っていないことなどが必要です。上場会社や調査中の会社などは利用できません。
  2. 未提出の届出を済ませる:年次届出、所得税申告、GSTの申告と登録取消を先に済ませます。
  3. 決議:株主の特別決議(または株主の75%の同意)を行います。
  4. 申請:STK-2に、30日以内の日付の財務状況書(STK-8)、取締役の補償証書(STK-3)、宣誓供述書(STK-4)などを添付して、MCAの集中処理センター(C-PACE)に提出します。
  5. 公告と抹消:登記官による公告と異議期間を経て、登記が抹消されます。会社の状態はMCAで確認できます(MCAで会社情報を確認する)。

駐在員事務所・支店の閉鎖

  • 開設時に許可を受けた指定銀行(AD Category-I銀行)を通じて閉鎖を申請します。
  • 主な添付書類は、本社の閉鎖決議、監査済み財務諸表、未払債務・税務がないことの監査人証明、所得税の申告状況、登録(ROCへの外国会社登録)の抹消関連書類などです。
  • 残余資金の本国送金は、銀行の確認後に行います。
  • 進出形態ごとの違いは進出形態の選び方を参照してください。

よくある失敗・注意点

  • 税務調査・未決の税務案件を残したまま着手する。 清算が長期化する最大の要因です。事前に税務の未決事項を洗い出します。
  • GST登録の取消を忘れる。 申告義務が残り、延滞金が発生します(GSTの基本)。
  • 従業員への対応が不十分。 退職金(グラチュイティ)や未払賃金の精算、労働当局への届出を確認します。
  • 個人データの扱い。 顧客・従業員データの返却・削除方法を決めます(DPDP法への対応)。
  • 契約の解除条項を確認していない。 長期契約の途中解約で違約金が生じることがあります(契約と紛争解決)。

次にやること

  • 撤退方法の候補ごとに、期間・費用・税務の試算をCAに依頼する
  • 契約・許認可・従業員・データの一覧を作り、終了手順を決める
  • 将来の再進出の可能性も踏まえ、子会社設立の手順で再設立時のコストと比較する

個別の判断は専門家(CA・弁護士・税理士)にご確認ください。

Questions on this topic

子会社を閉鎖したい場合、どのような方法がありますか?

事業実績がなく債務もない会社であれば、会社法248条に基づく登記抹消(Strike off)を申請できます。資産や負債がある場合は、倒産・破産法(IBC)に基づく任意清算を行うのが一般的です。いずれも税務・労務・FEMA上の未了事項を整理してから進めます。

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