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インド進出の全体ロードマップ:調べる・決める・作る・売る買う・運営するの5段階

インド進出ナビ編集部(監修:Romy) · Last verified: 23 Oct 2026 · About 12 min read

日本企業がインドに拠点を作り、事業を回すまでの流れを5段階で整理したピラー記事です。12か月のタイムライン例と、段階ごとのやること・期間の目安・使う公式システム・関連ガイドを一覧にしました。経営企画・進出プロジェクト担当者向けです。

このガイドでわかること

  • インド進出の全体像を「調べる・決める・作る・売る買う・運営する」の5段階で把握できます
  • 段階ごとに何をし、どの公式システムを使い、どのガイドを読めばよいかがわかります
  • 12か月で拠点を立ち上げる場合のスケジュール感をつかめます

12か月タイムラインの例(子会社設立・販売拠点の場合)

時期 主な作業 段階
1〜2か月目 市場・競合の調査、出張でのヒアリング(e-Businessビザ)、候補州の比較 調べる
3か月目 進出形態・出資額・拠点州の決定、社内承認、外部専門家(CA・弁護士)の選定 決める
4〜5か月目 社名予約と設立申請、取締役の電子署名取得、定款作成 作る
5〜6か月目 法人登記完了、銀行口座開設、出資金の送金と外資報告、PAN・TAN・GSTの登録 作る
6〜7か月目 オフィス契約、駐在員のビザ申請と社会保障協定の手続き、現地スタッフの採用開始 作る
8〜9か月目 駐在員赴任と外国人登録、商標出願、販売代理店・仕入先の選定と契約 売る・買う
10〜12か月目 営業開始、輸入通関、月次の税務・労務申告の運用開始、年次決算の準備 運営する

製造業で工業用地の取得や環境許可が必要な場合は、「作る」段階が6〜12か月延びることを想定してください。駐在員事務所から始める場合は、設立手続きが別の流れになります。

段階1:調べる

やること 期間の目安 使う公式システム 関連ガイド
進出形態の基礎を知る 2〜4週間 — 進出形態の選び方
州ごとの産業集積・優遇策を比較する 2〜6週間 各州投資促進機関 州の選び方、補助金・優遇策
自社製品に必要な規格・許認可を確認する 2〜4週間 NSWS、BIS 許認可を調べる(NSWS)、BIS・品質管理命令の確認
外資規制(業種別の上限・承認要否)を確認する 1〜2週間 — Eコマースの外資規制
出張のビザを準備する 1週間 e-Visa ビザと外国人登録

段階2:決める

やること 期間の目安 使う公式システム 関連ガイド
進出形態を決める 2〜4週間 — 進出形態の選び方、連絡・支店・プロジェクト事務所
出資額・資金計画・利益回収の方法を決める 2〜4週間 — 資本・資金調達と本国送金
税務の全体像と移転価格の方針を固める 2〜4週間 — 日印の税務の基本、移転価格の基本
合弁・提携先を調べる 2〜6週間 MCA21、GST検索 取引先の信用確認、MCAで会社情報を調べる、GST番号で納税者を調べる
拠点州と用地を決める 1〜6か月 州の工業団地情報、IILB 工業用地を探す(IILB)

段階3:作る

やること 期間の目安 使う公式システム 関連ガイド
子会社を設立する 1〜3か月 MCA21(SPICe+) 子会社設立の手順
設立直後の登録(PAN・TAN・GST・PF・ESI・職業税など) 1〜2か月 所得税ポータル、GSTポータル、EPFO、ESIC 設立後のチェックリスト、GSTの基本
出資金を送金し、外資報告を行う 1か月 RBIの外資報告システム 資本・資金調達と本国送金
輸出入の登録を行う 1〜2週間 DGFT(IEC)、通関システム 輸入通関とIEC
現地スタッフを採用し、給与制度を作る 1〜3か月 EPFO、ESIC 採用と給与の基本、4つの労働法典
駐在員のビザ・社会保障・税金を準備する 2〜4か月 在日インド大使館、e-FRRO、日本年金機構 ビザと外国人登録、日印社会保障協定、駐在員の税と生活
商標を出願する 出願は数週間、登録は1年以上かかることもある インド知的財産庁のオンライン出願 商標登録

輸入関税コード(IEC)はGST導入後、法人のPANと同じ番号になっています。設立後のPAN取得と同時に準備できます。

段階4:売る・買う

やること 期間の目安 使う公式システム 関連ガイド
販売チャネル・代理店を選ぶ 1〜3か月 — 販売チャネルの作り方
Eコマースで売る 1〜2か月 — Eコマースの外資規制
政府調達に参加する 1〜2か月(登録) GeM 政府調達(GeM)
仕入先を探し、評価する 1〜3か月 MCA21、GST検索 IndiaMARTでの仕入先探し、取引先の信用確認
契約を結ぶ 2〜6週間 — 契約と紛争解決
個人データを扱う仕組みを整える 1〜3か月 — DPDP法(個人データ保護)
輸入品の規格・通関に対応する 製品により数週間〜数か月 BIS、通関システム BIS・品質管理命令の確認、輸入通関とIEC

段階5:運営する

やること 頻度 使う公式システム 関連ガイド
会社法・税務・労務の届出 毎月・四半期・毎年 MCA21、GSTポータル、所得税ポータル、EPFO、ESIC 年間コンプライアンス・カレンダー
源泉徴収と申告 毎月・四半期 所得税ポータル TDS(源泉徴収)ガイド
親会社との取引価格の文書化 毎年 — 移転価格の基本
労働法典・州規則の変更対応 随時 州官報、労働局サイト 4つの労働法典
駐在員の延長・交代 随時 e-FRRO、日本年金機構 ビザと外国人登録、日印社会保障協定
配当・ロイヤルティによる利益回収 毎年 — 資本・資金調達と本国送金
撤退・清算 6か月〜数年 MCA21 撤退と清算

よくある失敗・注意点

  • 進出形態を決める前に事務所を契約し、登記住所や業務範囲と合わなくなる
  • 設立後の登録(GST、PF、ESI、職業税)を一部しか行わず、後から遅延罰金が発生する
  • 駐在員のビザと社会保障協定の手続きが設立に間に合わず、赴任が遅れる
  • 取引先を十分に確認せず、未登録業者や実体のない会社と契約してしまう
  • 撤退の方法を考えずに出資し、清算に長い時間がかかる

次にやること

  1. 進出形態の選び方を読み、候補を2つ程度に絞る
  2. NSWSの「Know Your Approvals」で必要な許認可を洗い出す(使い方ガイド)
  3. 州の選び方で候補州を比較する
  4. 外部専門家に見積もりを取り、上の12か月タイムラインを自社用に書き換える

個別の判断は専門家(CA・弁護士・税理士)にご確認ください。

Questions on this topic

外資100%でインドに子会社を設立できますか?

多くの業種では、外資100%の子会社を政府の事前承認なしで設立できます(自動ルート、2026年10月時点)。ただし、防衛や通信、一部の小売・メディアなど、出資比率の上限や政府承認が必要な業種があります。まずDPIITのFDI政策で自社の業種の上限と承認ルートを確認してください。

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親会社に中国資本が入っている場合、インドへの投資に影響はありますか?

影響する可能性があります。Press Note 3(2020年)により、インドと陸上国境を接する国の者が投資者または実質的支配者である場合は政府承認が必要です。2026年3月15日付のPress Note 2(2026)で、該当国の実質的所有が10%の基準を超えず支配権を伴わない場合は自動ルートが認められる形に緩和されました(2026年10月時点)。株主構成を早めに整理し、専門家に該当性を確認してください。

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必要な許認可を一覧で確認する方法はありますか?

全国シングル・ウィンドウ・システム(NSWS)の「Know Your Approvals」機能で、事業内容や所在州などを入力すると、中央・州政府の必要な許認可の一覧を確認できます。一部の許認可はNSWSから申請することもできます。最終的な要否は所管当局や専門家に確認してください。

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